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レース&イベントレポート

イクラちゃんの“Super American Festival 2003 DRAG RACE” 7.20.2003

フラ・コマンダー奮戦記 「最後の富士」の巻

2連覇を夢に大会前日早々と大阪を出発したSakky’s Racingの面々は雨ですっかりテンションが下がり気味だったが見事に晴れ上がった大会当日は予選から手抜き無しの攻めの走りをする為に早朝から気合を入れ準備に励んでいた。しかし、手にした「プロ・クラス」のエントリーリストを見て絶句した!そこにはなんとプロ・ストックを含む総勢16台もの強豪マシンが名を連ねていた。こりゃ〜“フラ・コマンダーカマロ“に勝ち目は無いかも、、、不穏な空気が早朝のピットに流れる。また秋良選手が出場するファニーカークラスも国内に存在する全てのマシンが参加。山根、小濱両選手が戦うストリートクラスにおいては60台のマシンがエントリーされていた。しかしこれが「最後の富士スピードウェイ」皆ベストを尽くすのみであった。

STREET CLASS

まずストリートクラス予選では山根、小濱両選手が大健闘。決勝トーナメントにはわずか8台という狭き門を潜り抜けるため、各ドライバーはコンセントレーションを高め次々とステージングしていく。2回のタイムアタックの結果、準々決勝進出8台の中で小浜選手が4位と山根選手が5位と大健闘!しかしながら小浜選手はドライブシャフトを破損、せっかく手に入れたセミファイナル出場権をチームメートの山根選手に委ねた。奇しくも小濱選手はこの日自己ベストタイムを更新していた。

山根選手はベスト4に繰り上がり小浜選手の熱い闘志を受継ぎにセミファイナルに臨む。ステージングには小浜選手も付き添い、まるで自分のスタートのように緊張した面持ちで山根カマロを送り出す姿が印象的であった。しかし山根選手はこのセミファイナルを0.259秒差で破れ惜しくもクラス4位に終わった。優勝は大倉 祐司選手のカマロ、タイムは11.499秒。 準優勝は大場 貴夫選手のコルベットでタイムは11,192秒であった。

【決勝トーナメント結果】

No. 選手名
(敬称省略)
車種 準々決勝 準決勝 決勝 決勝順位
R/T E/T R+E/T R/T E/T R+E/T R/T E/T R+E/T
253 大場 貴夫 コルベット 1.088 11.001 12.089 0.948 11.026 11.974 1.433 11.129 12.562 2
235 染谷 洋 カマロ 0.905 12.592 13.497             6
201 山本 善彦 エルカミーノ 1.091 11.519 12.610 1.257 11.763 13.020       3
228 岡田 徹也 カマロ 0.962 12.425 13.387             5
236 大倉 祐司 カマロ 0.858 11.863 12.721 0.873 11.613 12.486 1.034 11.499 12.533 WINNER
243 菊池 利昭 カマロ                    
244 小濱 重尚 カマロ                    
240 山根 昌守 カマロ 2.224 15.245 17.469 1.640 11639 13.279       4

PRO CLASS

さて、上位クラスのプロ・ストック混走により総勢16台による予選を強いられ、しかも決勝トーナメントにはわずか4台と言う厳しい状況で始まった「プロ・クラス」は予選から緊迫した空気が流れていた。「Sakky’s Hula-Commander Camaro」の作田選手は予選で10,408秒をマーク、続いて「ADDOBALL Camaro」の小林選手が10,713秒、「ROD-MOTOR Corvette」の葛木選手が10,941秒、“ART HAMA C-1500”の浜選手が11,194秒と超接近戦で予選を終え、各者淡々とセミファイナルへの準備に入る。予選を終えてみればプロ・ストック勢は思うようにタイムが出せず決勝トーナメントにはFERDAでも御馴染みのプロ・クラスの面々が顔を揃えていた。

セミファイナルは#304「Hula-Commander Camaro」作田 vs #312「ART HAMA C-1500」の浜#306「ADDOBALL Camaro」の小林 vs #309「ROD-MOTOR Corvette」の葛木で行われた。この4台のマシン性能は著しく等しくほんの僅かでもミスをした者が敗れるというサバイバルゲームとなった。結果ファイナルには#904「Hula-Commander Camaro」作田と#306“ADDOBALL Camaro”の小林が共に勝ち進んだ。

そして迎えたファイナル、両者気合の入ったバーンナウトを決めステージングランプが点灯! リアクションタイムは作田1,019秒に対し小林1,078とほぼ互角のスタート。結果は#304「Hula-Commander Camaro」作田がこの日のクラスレコード10,188秒で優勝! #306「ADDOBALL Camaro」の小林は10,487秒とその差わずか0,299秒。両者共にこの日のベストタイムたたき出す見ごたえの有る走りでスタンドを沸かせた。念願のアメフェス2年連続優勝を果たしたサッキーズクルーとキャンギャルの乗るトーイングカーにはスタンドから惜しみない拍手が贈られていた。 

【決勝トーナメント結果】
No. 選手名
(敬称省略)
車種 準決勝 決勝 決勝順位
R/T E/T R+E/T R/T E/T R+E/T
304 作田 孝夫 カマロ 1.122 10.410 11.532 1.019 10.188 11.207 WINNER
312 浜 孝恭 GM C-1500 0.495 11.253 11.748       3
306 小林 久 カマロ 0.974 10.761 11.735 1.094 10.487  11.584  2
309 葛木 良 コルベット 1.074 11.140 12.214       4

FUNNYCAR CLASS

現在日本にあるファニーカーを全部集めたと言っても過言ではない今大会は、実力派ぞろいの大混戦模様であった。ど派手なバーンナウトに観客は大興奮、マシンのカラーリングも楽しく見るものを飽きさせないそれがアルコールファニーカークラスの魅力ではないだろうか。

タイム集計結果が混乱し後日の公式発表となったファニーカークラスの勝者は、昨年に続きCAR-BOX DRAGON-KB PONTIACの秋良 克温選手であった。SAKKY’S RACINGとJ-SPORTSにとっては忘れられないレースとなった。この日、秋良選手のマシンは前回のFEDRA戦で壊したエンジンパーツの到着が遅れ前日まで作業を強いられるギリギリの状況で手に入れた優勝は格別の物となった。また勝因は0,427秒と言う素晴らしいリアクションタイムにもあった。
イクラちゃんカラーで注目を集めたHarry’s Racing愛甲選手の8,851秒がベストETであった。

【FUNNYCAR レース結果】
No. 選手名
(敬称省略)
タイム ランキング
R/T E/T R+E/T R/T E/T R+E/T
51 神戸 紀彦            
52 加藤 彰 0.763 9.395 10.158 3 4 2
71 久保 淳一 0.552 10.484 11.036 2 5 5
100 愛甲 徹也 1.311 8.851 10.162 3 4 3
90 秋良 克温 0.427 9.380 9.807 1 3 WINNER
91 中野 常雄 1.602 9.132        

TOP FUEL CLASS

ドラッグレースの花形「トップフーエル・クラス」は2台でのマッチレースとなった。国内で唯一ナイトロ燃料を使用し爆発的パワーで観客を魅了するこのクラスには、昨年本場NHRAシリーズを戦い最終戦では日本人初のファイナル出場を果たしたHarry’s Racingの大山 祐一選手と今年から再びチャレンジを始めたART GARAGEの富田 直位選手だ。周囲の空気さえ揺るがす轟音を響かせた走りでスタンドは総立ちの大歓声!結果トップ・フューエルクラスを制したのは大山選手であった。タイムは6.868秒、グリップの悪い日本のコースではダントツのタイムであった。
表彰式ではいつも姿を見せないシャイな大山選手も、最後の富士とあってかステージに姿を現し良友イクラちゃんと抱き合う姿がとても印象的であった。

【TOP FUELレース結果】
No. 選手名
(敬称省略)
タイム ランキング
R/T E/T R+E/T R/T E/T R+E/T
4 久保 淳一            
5 富田 直位 0.644 8.040 8.684 1 2 2
14 大山 祐一 1.093 6.860 7.953 2 1 WINNER

今大会それぞれの思いを秘めながら精一杯に戦った2003スーパーアメリカンフェスティバル・ドラッグレース。しばらくの間休息に入る富士スピードウェイに夕日が沈むとなんとなく寂しい思いでサーキットをあとにしたのは皆同じであったに違いない。

SPECIAL THANKS!